古材Q&A
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古材ってなに?
古民家の解体時や改修時に、まだ使える材として取り出されたものを古材と言います。
使われなくなった古民家が解体される際、まだ有効利用できるにも関わらず廃棄されてしまっている古材も多くあります。
古材をリユースすることは、循環型社会の形成を推進するとともに、持続可能な生産と消費、気候変動への対策、経済成長と雇用など、持続可能な開発目標(SDGs)の多くのゴールの達成にも寄与する取組となります。
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古材を使った時の耐久性・安全性は大丈夫?
経年変化により強度が落ちる鉄やコンクリートとは異なり、古材は時間経過により引っ張り強度・圧縮強度が高くなる性質を持ち、再活用をするのに非常に適した資材だと注目を集めています。
木は伐採されてから乾燥することにより強度が増していき、古民家で使われている古材は時間をかけて天然乾燥され強度が高まったものです。
樹齢100年のヒノキの場合ですと、伐採されてから100年後が最も引っ張り強度・圧縮強度が増しているという研究結果もあり、実は新材より古材の方が強度が高いのです。古材リユース推進協会が扱う古材は、古材鑑定士が品質を鑑定したものです。
古材の強度測定(ヤング係数)、古材の含水率、外観確認(異物の混入の有無、洗浄の必要性の検討)も実施し、材として十分活用できる品質であることを確認したものを取り扱っております。
万一の場合に備え、販売される古材に対しては製造物責任法(PL法)による保証が付与され、最大1億円の賠償が保証よりなされます。
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古材を使うメリットってなに?
木は伐採されてから乾燥することにより強度が増すため、ほとんどの場合で古材は新材よりも強度が高くなります。
古材には地元の木材が使われていることが多く、ケヤキやサクラ等、銘木と呼ばれる木材や現在では入手困難な貴重なものも多数あります。
経年変化の風合いも、新材にはない魅力です。
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どうして地元の木を使うほうが良いの?
その土地で生育した木は、その土地の気候に適しており、輸入材に比べ長持ちすると言われています。
建築資材として利用された時、その土地の気候に対応できるので長く持つのです。また、地元の木材を利用することで、山の環境整備にもなりますし、地域の林業や製材業の方が活躍できるので地域活性化にもつながります。
国産の木材と輸入材の腐朽の違いを見てみるとこんなにも持ちが違ってきます。
※上記は、野ざらしで4年が経過した木材です。日本の木は、しっかりとした状態を保っていますが、海外の木材はすでに崩れてきています。
※上記は、野ざらしで8年が経過した木材です。日本の木材は、若干の傷みはあるもののまだまだしっかりとした状態です。海外の木材はほぼ完全に崩れてしまっています。
以上の写真から、輸入材ではなく、日本で育ち日本の気候風土に合った木材を選択することが適しているということが分かります。
新民家Q&A
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新民家とは?
古民家を建て替える際、元の家の古材を再活用して建てられた木造住宅が新民家です。
古材で全ての構造材を補うことはできませんが、新しい材には地元の自然乾燥材を使用することにより、古民家と同じく地元の気候風土にあった長期間使用可能な住宅となります。
- 新民家ってどれくらい住めるの?
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日本の森林も減っているの?
ほとんど減っていません。体積(森林蓄積量)で言えば増加傾向です。日本の森林全体の約4割を占める人工林が増えていることが理由です。
日本では植樹などで森の再生などの事業に取り組んでいるところも多く、人工林が増えてきています。
しかし、そういった木々があるのに、輸入木材が多く流通しており、国産の木々が資材として利用されていないのが現状です。
出典:林業白書林野庁森林資源現況調査(平成24年)
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大壁と真壁って?
大壁は住宅の柱を隠すように張られた壁のことで、真壁は住宅の柱が見えるカタチの壁のことです。
よく和室で見かける柱が見えるつくりが真壁です。
柱が見えることは、デザイン性はもちろん、柱の状態を確認することもできるので、メンテナンス性も高い造りです。
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日本の木造住宅ってどれくらいあるの?
平成26年度の住宅産業研究所のデータによると戸建て住宅の69.8%は木造軸組構法と言われるいわゆる大工さんが建てる住宅です。
アメリカから来た2×4(ツーバイフォー)工法の住宅も木で作られているので、これも合わせると81%が木の家です。